ツアー2日目の最初のプログラムは、深圳市庁舎の会議室にて、川ノ上和文氏の講演でした。
川ノ上和文氏は、xyZing.innovation(翼彩創新科技(深圳)有限公司)CEOであり、エアロネクスト、中国深圳総経理を兼任されています。CEAO(Chief Exploring Aggregation Officer)として、探求と結合を活動の旨とされており、一般社団法人Publitechの中国アドバイザーも務めて頂いています。日経関連のメディアやForbus JAPAN等でも中国の現地情報を発信している、中国テックの専門家でもあります。深圳在住です。
昨日の佐々木氏からは深圳の概要についてのお話がありましたが、川ノ上氏からは深圳人の行動哲学やそれらがどのようにビジネスに波及しているのかについて深いお話を頂きました。
まずは、以下の3つの視点からのお話でした。
①思考のフレームワーク
②格差が生み出す構造変革
③デジタル経済・業態変化と拡張・社会実装
深圳人の行動哲学は、圧倒的なスピード感でとりあえずやってみるという、現在の日本の多くの企業には欠けている正反対のものであることがわかります。
深圳の1日は、シリコンバレーの1週間、日本の1か月といった感じでしょうか。
また、中国には圧倒的な格差がありますが、そのことが逆にリープフロッグ現象を引き起こし、最先端のテクノロジーがスケールしている現状もあります。
また、テンセントとアリババが中国においてはどのような位置づけの企業で、その違いは何なのかなど、日本のメディアによる二次・三次情報からは得られない知見も参加者と共有しました。
さらに、このようなプラットフォーマーが、トヨタのような製造業を飲み込んでしまう(一つのパーツにしていしまう)可能性を指摘し、MaaSのように業態変化を急がなければならない必要性について触れられました。
深圳の10大スローガン
①時は金、効率は命
②空論は国を危うくし、実行は国を繁栄させる
③あえて天下の先となる
④改革・革新は深圳の根・深圳の魂
⑤読書好き・勉強熱心なことで知られる都市
⑥革新を奨励、失敗に寛容
⑦文化的権利を実現する
⑧バラを贈れば手に香りが残る
⑨深圳と世界に距離はない
⑩深圳に来たら深圳人
参加者からも活発な質疑が行われ、やる気にみなぎる状態で、2日目のツアーがスタートしました。