2019年8月1日、第1回パブリテックスクエア+「デジタル時代のクリエイティブ人材が日本社会の未来を創る〜デジタルクリエイター10万人輩出計画」を開催しました。会場は、SMBCグループの、オープンイノベーション拠点hoops link tokyoでした。
講師は、高野明彦さん(株式会社メンバーズ取締役 兼 常務執行役員)。
今回は、共感サポーターであり、楽描人(らくがきじん)カエルンさんこと宇治茶更さんが、即興でグラフィックレコーディングを行なってくださいましたので、速報として、グラレコに沿って当日の雰囲気をお伝えします。
後日、文字起こししたものも共有予定です。
司会は、プロボノサポーターの増田洋紀さん。
菅原直敏(一般社団法人代表理事)より、パブリテックの取り組みについての簡単なお話。
テクノロジーは目的ではなく手段である。
講師の高野さんは、一橋大学を卒業後、大手銀行からメンバーズに転職。
社内ではインテリヤクザと呼ばれたことも。
株式会社メンバーズは1995年創業のIT業界では老舗。
今では、成長率も高く、株価も右肩上がりですが、10年前までは離職率も高く、ブラックなところもあり、潰れる寸前にまでいったことも。
そこで、絶対価値経営に舵をきる。
社会貢献、社員の幸せ、世界一のサービス。
ミッションは、「MEMBERSHIP」でマーケティングを変え、心豊かな社会を創る。
そこで考えた、豊かさとはなんだろう。
世の中では、大量生産、大量消費、大量廃棄と経済成長の裏で多くの矛盾を抱える社会が存在する。
恵方巻きのフードロスや、アパレルの大量廃棄の具体例などを交えてわかりやすく解説。
広告マーケティング業界はこれらの社会課題を増長させているのではないだろうか?
そこで、CSV(Creating Shared Value)を目指すも、本当にできるのだろうか?
大手銀行のワンタイムパスワードの活用数を、個人ではなく社会課題の解決へ意識を変えることで、13倍にまで引き上げる。
メンバーズのビジョンは2030年までに10,000人の採用。
10万人のデジタルクリエイターを作る。
IT人材が不足する日本の現状に果敢に挑戦する姿勢。
でも、IT業界は人気がない、、、主役感がない、、、
だから、なりたい人の意識を変えることが必要ではないか。
幸せの意味を探しにデンマークに行く。
ワークライフバランス、ヒエラルキーのないデモクラティック、社会的価値。
メンバーズの働き方改革の実践は、労働時間を減らして給与をあげる。
大手メディアの「共働きで働きやすいランキング」で20位にも選ばれるまでに。
仙台の復興支援で3名の現地採用を始めたのを皮切りに、全国で様々な取り組みを行う。
Co-creation Digital Lab、UX MILK、 Future Design、CSVビジネスアイデアコンテスト。。。
高野さんの講演に続いて、参加者によるワークショップ。
プロボノサポーターで、行政コンサルタントの金澤一行さん。今回のパブリテックスクエア+の企画も務める。
グーグルフォームを使い、インタラクティブにワークショップは進む。
最後は、講師の高野さんと代表理事菅原と会場参加によるパネルディスカッション。
最初に選ばれたのはイセヒロさん。
「地方でも東京の下請けではなく、東京と同一労働、同一賃金」という部分について触れながら、机上での社会課題解決の話ではなく、実際にどう解決していけるのかについて考える。
高野さんからは共感しやすいビジョンを立てる重要性が、菅原からは旗を立てることの必要性。
続いて、八丈島町議会議員の宮崎陽子さん。
現状維持派が多い町民の意識をどうやったら変えられるのかという問題提起。
2030年には今の人口が半分以下の3,000人以下になる危機感は強い。
高野さんからは、持続可能性という点では人口減少は必ずしも悪いことではないが、そのインパクトは考える余地あり。
菅原からは伝える方法もUXを意識すると良いのでは。
最後は、外資系保険会社の青木亮さん。
いかに経済的合理性があるかどうかではなく、いかにこの先の世界をより良いものにしていけるか、という発想が大切と考える。
目指すは、各個人が自身の能力を発揮することで所属するコミュニティの発展に貢献出来ていると感じられる社会。
企業の経済活動と社会貢献の衝突について深い議論になる。
高野さんからは、社会との軋轢を生むような事業は行わないという決断も重要。
多くの方々の企画・準備・運営によって共創的に開催されたパブリテックスクエア+でしたが、懇親会でも参加者同士の話も尽きず、非常に有意義なものとなりました。